団子木飾り(小正月行事)

テーマ: 習俗 地域: 村山地域河北町
■「小正月」
朔正月を「大正月」と言うのに」対して、十五日正月を「小正月」といいました。また、「後の正月」とも。
大正月には、公式な儀式ばった行事が多いのに、小正月には生活に即した民俗行事が多く行われました。昔の生活は月あかりを利用することが多かったので、闇夜の大正月よりは、望(満月)の小正月のほうが親しみ深く、大昔の生活の上では、小正月が一年の境目であったのではないかとも言われています。
小正月に行われる行事の多くは、農耕の模擬をして豊作を予祝(農作物の豊饒を祈って、あらかじめ模擬する行事)するものであります。
これらの「小正月行事」は、比較的豊かで平穏だった江戸時代後期(200年前)に、日常生活を楽しいものにするための、風俗習慣が庶民生活に根付いたものと言われています。

■「団子木飾り」=豊作祈願
12日と13日に、谷地と寒河江で「火伏せ」の縁起がある団子木(水楢)市が開かれました。
団子木に団子を挿して座敷に飾り、秋の豊作並びに養蚕(繭)の豊作を祈願する行事です。団子木の根元には昆布(よろこんぶ)を巻き、それに「金」と書いた金着餅(財布餅)を下げます。又団子きのところどころに船煎餅・昔の銭・ふうせん・折鶴等を飾ります。又、ミゴに小さく区切った餅をくっつけた「まえ玉」(繭玉)を下げました。

■「田楽」=豊作祈願
囲炉裏を中心にして一家の老若男女が集まって、火気に顔をほ照らしながら、豆腐・コンニャク・餅を串にさして焼いて、いろいろ調合した味噌等をつけて食べます。出入れの者も集まって、賑やかな酒宴となりました。
「手前の田楽」という言葉があります。手前の田楽の裏側が見えないのでやけすぎるのも知らずに、向かい側の田楽に余計な世話をやいて笑われることです。人生の一面を如実に表している言葉です。
「田楽」の名が示すように、秋の豊饒を神に祈り、それを予祝するものです。又、「田遊び」「お福田」「幸の神の祭」等の意味がこめられていると言われています。

老人クラブ北谷地地区連合会

撮影年2008年
著作山形県
制作(財)山形県生涯学習文化財団
時間3分35秒

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